崩壊

フセイン政権が崩壊した。
徹底抗戦を叫んでいた大統領について行こうとする民衆はいなかった。
民衆にとって大切なのは平穏な暮らしであった。
大統領自身も自分が依って立っている基盤が永遠のものとは考えていなかったであろう。
もし考えていたとしたら可哀相な人ということになろう。
30年もの間自分を神とも考えていたのか、街のあちこちに自分の銅像を作ったり肖像画を掲げたり。
社会も組織も人間もそのなかに「聖域」を持った段階から腐敗に進むだけである。
あまりにも卑近な例かもしれないが身近な組織のなかにもそんな例は枚挙をいとわないほどである。
それ以外の人間には自己批判を要求しておきながらトップ自らはそれを自身に課すことを忘れてしまっている。
忘れていると言うより自分をそれこそ神とでも思っているのであろう。
そうであれば後は堕落の途しか残されていないのは自明の理である。
そのような組織はそう呼ぶに値しない。
人の心はトップから離れていくだけで、その離れていくこと自体を理解できないのはトップだけという図式に陥っていくのである。
すべてを受け入れる民主的な土壌のないところに個々人の能力を充分に発揮させるような活気のある組織は期待できない。
規模の大小は別にしてトップと思われている人は今まで繰り広げられて来た人間の歴史をその教本とすべきであろう。
人に課すことを自らにも課す、トップにとって唯一必要な試練とも言えようか。

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