灯籠流し

はじめて灯籠流しに行って見た。
当時もそうであったと聞いていたが、やはり暑い日だった。
一つ一つ手を合わせながら灯籠を流していく、その人たちの姿を眺めながら当時のことを想像していた。
あの時、熱さ故に多くの人がこの川原に水を求めてやってきたということだった。
そしてこの川原にたどり着いたところで息絶えていったとのことだった。

あれから半世紀が過ぎ、今は穏やかな空気がこの街をおおっている。
しかしまだまだあの時の傷跡がすべて消え去ったわけではない。

水面にゆらゆらと揺れながら川を下っていく灯籠の灯りを追いながら、
ただ黙って手を合わせる私たちだった。

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